Terrain-RGB変換サービスは,公開されている標高数値PNGタイルをリアルタイムにMapbox Terrain-RGBに変換する無料のウェブサービスです.
国土地理院の標高タイル(PNG形式)やシームレス標高タイルなどを,QGISやMapLibre GL JSなど,Terrain-RGBに対応したアプリケーションやツールで利用することができるようになります.
※標高数値PNGタイルとは?
標高数値PNGタイルとは,標高値をRGB値に変換して地図タイルとして保存したもので,国土地理院の標高タイル(PNG形式)やTerrain-RGBを包含したものです.
仕様としてはグリッドPNGタイルの数値PNGタイルにあたります.数値PNGタイル自体は標高に限定されません.
QGISでシームレス標高タイル統合DEMを3D表示した例(地理院タイルの写真を使用)
※Terrain-RGB変換サービスは,現時点では機能評価のための試験公開サービスです.事前の予告なく仕様変更が行われる可能性があります.
パラメーター | 内容 | 省略とデフォルト | 補足 |
---|---|---|---|
url | 標高数値PNGタイルのURL | 必須 | |
r | 標高数値PNGタイルの標高分解能 | 省略可,省略すると0.01(1cm) | メートル単位 |
e | 標高数値PNGタイルの無効値 | 省略可,省略すると-8388608(=-223) | 24ビット符号付き整数に変換した後の値で指定します. 空白を指定すると無効値を使用しません |
trr | Terrain-RGBの標高分解能 | 省略可,省略すると0.1(10cm) | メートル単位 |
tro | Terrain-RGBの標高オフセット | 省略可,省略すると-10000 | メートル単位 |
※trr, tro: Terrain-RGBの仕様上は,標高分解能及び標高オフセットは固定値です.
ソースとなる標高数値PNGタイル https://tiles.gsj.jp/tiles/elev/mixed/7/50/113.png |
|
本サービスによる変換後のTerrain-RGB https://gsj-seamless.jp/seamless/elev/php/terrainRGB.php?url=https://tiles.gsj.jp/tiles/elev/mixed/7/50/113.png |
QGISはバージョン3.24からTerrain-RGBをサポートしており,本サービスを利用すると標高数値PNGタイルも利用できるようになります.DEMとして処理したり,3Dマップビューでも利用できます(このページのトップの画像).
基本的には,XYZ TilesのURLで,Terrain-RGBのタイルURLテンプレートの代わりに「本サービスのサービスURL」+ '?url=' + 「標高数値PNGタイルのタイルURLテンプレート」を指定するだけです.Interpretationには「MapTiler Terrain RGB」を選択してください.
QGISでTerrain-RGBを利用する方法については以下のサイトで紹介されています.
> QGISとMapTiler Terrain RGBでかんたんDEM活用
(注)
256pxの標高タイルをそのまま使用すると,タイル境界に白い線が現れることがあります(ページトップのサンプルにも出ています).
MapLibre GL JSではTerrain-RGBを使って3D地形を表示することができます.本サービスを利用すると標高数値PNGタイルも使用できるようになります.
基本的には,sourcesにDEM用のソースを追加する際に,そのtilesプロパティに「本サービスのサービスURL」+ '?url=' + 「標高数値PNGタイルのタイルURLテンプレート」を指定するだけです.
以下にサンプルコードの抜粋を示します.
sources:[ ... dem: { type: 'raster-dem', tiles: [ 'https://gsj-seamless.jp/seamless/elev/php/terrainRGB.php?url=' + 'https://tiles.gsj.jp/tiles/elev/mixed/{z}/{y}/{x}.png', ], tileSize: 256, maxzoom: 17 } } ... terrain: { source: 'dem', exaggeration: 1 }MapLibre GL JSでの利用サンプル
(注)
MapLibre GL JSで標高数値PNGタイル(地理院標高タイル(PNG形式)を含む)を利用する場合は,MapLibre GL JSが提供するaddProtocol()関数を使ってJavaSciriptで変換を行った方が,本サービスを利用するよりは高速に変換できます.
MapLibre GL JS バージョン4での変換プログラムが作成され,GitHubで公開されています.
日付 | 内容 |
---|---|
2024/5/31 | Terrain-RGB変換サービス公開開始 |