データPNG

 データPNG(Data PNG)とは,画像ファイルフォーマットであるPNG(Portable Network Graphics)を使ってデータを表現したものです.インターネットを使って大量データを,高速に扱うために考案されました.PNGは標準で圧縮され,ウェブブラウザでも扱いやすいため,特にウェブアプリケーションでの利用に優れています.主に地図タイルでの利用を想定していますが,それ以外の分野でも有効です.
 データPNGには,グリッドPNG(Grid PNG)リストPNG(List PNG)が含まれます.グリッドPNGには,さらに数値PNG(Numerical PNG)パレットPNG(Palette PNG)が含まれます.リストPNGには,点群PNG(Point Cloud PNG)が含まれます.これらは表現できるデータの内容や,PNGへの記録方式に違いがあります.


データPNG

 
 
グリッドPNG
 
 
数値PNG
パレットPNG
リストPNG点群PNG

グリッドPNG


 グリッドPNGとは,平面上の格子データを扱うためのデータPNGです.
 ここで格子データとは,縦横の等間隔の線を描いて,その各交点にデータが関連付けられるものです.縦・横の線は直交する座標軸に平行としますが,間隔は縦と横で異なっていても構いません.一般にメッシュデータ呼ばれるデータも含みます.
 グリッドPNGを地図タイルとして利用するものをグリッドPNGタイルと呼びます.詳細はサブページまとめています.
グリッドPNGタイル

・データ表現

 グリッドPNGでは1つのピクセルが1つの格子点データを表し,ピクセルのRGB(r,g,b; それぞれ256諧調で表したもの)をデータとして利用します.RGB各8ビット(合計24ビット)で単一の値を表現する場合はスカラー型,いくつかに分割して複数の値を表現するときはベクトル型と呼びます.後述の数値PNG及びパレットPNGはスカラー型になります.現時点ではベクトル型については詳細仕様を作成していません.

・無効値と不透明度

 完全に透明なピクセル(不透明度0)は無効値として扱います.
 不透明度が最大値(256諧調で表した場合は255)または指定されていない場合は有効値として扱うことを推奨しますが,特定の色を無効値として指定することも可能です.
 0または最大値以外の不透明度は使用しないことを推奨します.

数値PNG

 数値PNGはグリッドPNGの一種で,値が連続的に変化するスカラー型のデータを表現します.  

・データ表現

 ピクセルから値を取得するには,まず,R,G,Bの3バイト(r,g,b)をこの順に並べて24ビット符号付き整数として得ます.次に,タイル配信サービスにより決められた定数,係数(f)及びオフセット(o)を用いた1次関数変換を行って最終的な値(v)に変換します.
 変換式は以下のようになります.
r' =
 r,
 r - 28,
( r < 27 )
( r ≧ 27 )
v = f(216r' + 28g + b) + o

パレットPNG

 パレットPNGはグリッドPNGの一種で,いくつかの限定された色のみが使用されるものです.  

・データ表現

 ピクセルから値を取得するには,R,G,Bの3バイト(r,g,b)をこの順に並べて24ビット符号無し整数として得ます.これをピクセル値(pv, pixel value)と呼びます.
 変換式は以下のようになります.
pv = 216r + 28 g + b

・凡例情報

 各色(ピクセル値)に関連付けられる情報が何らかの形式で別途提供される必要があります.この情報を凡例情報と呼びます.

リストPNG


 リストPNGとは,固定長レコードデータを扱うためのデータPNGです.
 単体でも使用できるフォーマットですが,以下の点群PNGのような派生フォーマットを作成して使用することもできます.
リストPNG ver. 0.2 仕様

点群PNG

 点群PNGは,ポイントデータを表現するためのデータPNGです.ポイントデータとは,2次元または3次元の座標値を持ち,それに紐づけられる何らかのデータを持つものです.
 点群PNGは以下の仕様としてまとめられています.
シームレス地質図ラボ > 点群PNG

ライセンス


 「産総研地質調査総合センターウェブサイト利用規約」に従い,商用を含む自由な二次利用が可能です.この規約はCC BY 4.0と互換です.

更新記録


日付内容
2021/12/13 リストPNG ver. 0.2公開
2021/10/1 リストPNG追加
2020/12/15 公開開始

お問い合わせ


 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 シームレス地質情報研究グループ
 西岡 芳晴 y-nishioka@aist.go.jp